一度は訪れたいと思っていたカナダ・バンクーバー。６日間のお休みが取れたので急遽バンクーバー行きを計画。旅行会社の手配やレンタカー、海外Ｅメールで現地情報を調達したりと毎日があっという間に進み出発日を迎えた。現地情報によるとシロフクロウはまだ山から下りていない模様。今回はカモ見〜るの旅となった。旅に同行するのは、三番瀬をフィールドにしているよっちさん。海外渡航暦４０回を超える頼もしい助っ人、きっと各国の言葉が喋れるのだ。まさにスターウォーズに出てくるＣ3ＰＯ！　私はその横にいるＲ2Ｄ2といったところか。いよいよ成田を飛び立ち一路バンクーバーへ。今回の航空会社はＪＡＬ。窓際の席を狙っていたが残念ながら人気が高く真ん中の席になる。キャビンアテンダント曰く、この時期はエコノミーが込みビジネスクラスがガラガラになるそうだ。次回はマイレージでアップグレードだ。座席に着くとよっちさんの隣には、すご〜く綺麗な外国人女性が．．．思わず「よっち席かわって」とか言いたくなってしまう。我々と美女を乗せた飛行機は高度１万メートルへ。座席のモニターが自由に使える時間となったが回線の調子が悪くすぐ使用不可になってしまう。全座席システムダウンして回復まで３０分、やっとモニターが復活した。映画見たりナビ見たりゲームしたりで機内は快適！　特によっちさんと夢中になってしまったのがボーリングゲームだった。ひと寝りするとカナダ上空、天候はくもりのようだ。９時間の飛行を終えバンクーバー空港に無事到着。

入国審査を終え重い機材を持ちレンタカーカウンターに向かうが受付カウンターが見当たらない。右を向いても左を向いてもない。２人とも迷鳥のようにさまよい、地下1Ｆの受付カウンターを発見することができた。受付を終えて車に行くと「げっ！ナビが付いていない」受付でもらった地図を頼りにドライブすることになる。向かうは水鳥の宝庫ライフェル自然保護区。ハイウェイを走ると周りの景色が見え始める。広大な大自然！　こんな言葉がピッタリだ。あまりに美しい風景に見とれてしまい標識を見落とし迷走する破目になる。「よっち、ここどこ？」「わからない」こんな会話が続く。しばらく走るとコンビニとスタンドが一緒になった建物が目に入る。「あそこで聞こう！」ということになり、手ぶらで聞くのも悪いので飲み物（もちろんアメリカの味ドクターペッパー）を持ってカウンターへ。若い店員さんにライフェルの場所を聞くとわからないとのこと。我々の後ろにいた年配のお客さんが丁寧にライフェルの場所を説明してくれた。助かった〜　早速車に乗り込みライフェルへ！　目印はハクガンの看板、そこを曲がり橋を渡るとあとは道なりに進むだけ。途中オオアオサギも見えたがカモ見たさに先を急ぐ。ライフェルの駐車場に付くと１００羽を超えるマガモが歓迎、さらに足元に絡みつく。入口の低木にもゴマフスズメやヒガラが群れている。この先が非常に楽しみだ。ライフェルの入場料は１日４ドル。チケット売り場の中は鳥類グッズの売店にもなっている。入場料を払い中に入ると沢山の小鳥達がエサ台に群がっている。パッと見た目でも４，５種類。日本の図鑑で見た顔ぶれも。ミヤマシトドにキガシラトド、イエスズメなど。しかも近い！　もうワクワク状態である。さらに餌台近くの高い木には我々を歓迎するかのようにアメリカの国鳥ハクトウワシのペアが迎えてくれた。その下には無数のアメリカヒドリとアメリカオオバンがいる。まさに野鳥天国だ〜　

　
　　ミヤマシトド（white-crownd Sparrow)　　　　　　　　　　　　ハクトウワシ（Bald Eagle）


　　　ヒメハジロ(Bufflehead)♂　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヒメハジロ(Bufflehead)♀

保護区内の川筋を登ると早速現れたのがヒメハジロ♂。頭部の光沢が角度によって色が変わるのだ。ヒメハジロは動きが早く、なかなかベストポジションで撮影ができない。ヒメハジロをなんとか撮影し、さらに川筋を登るとオウギアイサが現れる。こちらの殺気を感じたのか奥へ行ってしまった。ふと手前を見るとコスズガモ♀がいる。さらにアメリカコガモも現れる。もうカモ天国万歳である。ここでの撮影を終え先を進むと開けた湿地帯にでる。湿地帯の池には先ほど格闘したヒメハジロ他沢山のカモがいる。第二ラウンド開始！　ほとんどのパワーを使い果たし小道に出てくる小鳥達を撮影しているとよっちさんが「カナダヅルがいる！」と叫んでいる。慌てて行くと２羽のカナダヅルは超近距離で手乗り状態。こんなことあり？　と思ったがせっかくだからパチッと撮らせてもらう。道をさらに進み葦原が見える場所に出るとハイイロチュウヒ♀が飛び回る。♂を期待しながら撮影を続けるが一向に現れない。日も暮れてきたので今日は引き上げることに。帰り道に１羽のコハクガンを発見（ケガしてる？）パチッと撮らせてもらう。

※ハクガンには「Greater Snow Goose」と「Lesser Snow Goose」がいます。ライフェルに飛来するハクガンは「Lesser Snow Goose」正式名はコハクガンになります。

　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　カナダヅル(Sandhill Crane)

　
　夕焼けとコハクガン(Lesser Snow Goose)の群れ　　　　　　　ホシムクドリ(Common Starling)

ライフェルをあとに向かうはジョンさんのいるバードショップ。途中電線にいるムクドリを発見、よく見るとホシムクドリだ。本日のラストショットを撮る。ウキウキ気分の帰り道ハイウェイになかなか乗れない。やっとの思いで入口を発見。しばらく走りハイウェイ降りてすぐのはずがまた迷ってしまった。一方通行に左折禁止、迷いに迷って閉店５分前にバードショップ発見。バードショップは双眼鏡をはじめ色々な小物が置いており、お土産買うのもいいかも。早速ジョンさんに鳥見ポイントを教えてもらう。最後にジョンさんからガイドを紹介されたがやはり鳥見は自力で見つけたときの感動がたまらないのと、種類が少なくても忘れられない思い出になるので、よっちさんと相談した結果ガイドのお願いはやめました。　※時間を有効に使って鳥数を増やしたいのであれば絶対ガイドは必要ですよ〜　
バードショップをあとにバンクーバー・ダウンタウンにあるバークレイホテルへ向かう。現地時間19：00やっとチェックイン。ここは木造3Ｆ建ての格安ホテル。ルームを案内されてしばらくしたら別ルームへ。で、でかいルームもベッドもバージョンアップしている。快適だ〜　こちらを使ってくれということでうれしい変更。しかも夜間は日本語ができるスタッフもいる。早速、夕食を食べに街に出る。ホテル前のロブソン通りは賑やかで飲食店も多く、更にお寿司屋さんが目立っている。さっぱりしたものが食べたく夕食は寿司＆カナダビール（よっちさんはキリン）となった。

2日目
　鳥見の朝は早い。ひと寝りして起きるとまだ0：00。９時間ぐらい寝た感じだ。窓際ではドバトがデデ〜ポッポ〜と鳴いている。再び睡眠。そして起きるとまだ夜中の３：00。外ではカラスが鳴いている、きっと夜遊びガラスだ。よっちさんもモゾモゾと起きてきた。結局朝まで寝付けず朝食を食べに外出。朝7：00だが外は真っ暗、道端にはあぶなそーな人がウロウロ。気候が温暖なため浮浪者が多いらしい。朝食はホテルから近いサブウェイ。過去海外旅行に行ったとき必ずやってしまうのが、ホットコーヒー頼んだはずが冷たいコーラ（しかもラージサイズ）が出てきてしまうことだ。発音に気をつけて頼むと、ちゃんとホットコーヒーが出てきた。モーニングコーヒーがおいしい！　２日目朝の探鳥地はスタンレイパーク。とにかくどでか〜い都市公園で深い森や湖が2つもある。下見ということで小雨降るなか300ｍｍのレンズを持参しての探鳥となる。

　
　　　オオアオサギ(Great Blue Hone)　　　　　　　　　　　　　　　ホオジロガモ(Common Goldeneye)

スタンレイパーク入口の湖ではカナダガンの群れが迎えてくれる。さらにホオジロガモ、マガモ、カワアイサと姿が見える。湖の淵から30ｍぐらいの場所でポツンと浮いている黒っぽいカモ、クビワキンクロ！　しかも♂２羽。さらに向こう側からオオホシハジロ♀２羽が寄ってくる。これは幸先がいい。足をさらに進め第二の湖ビバーレイクに向かう。公園内は大木が多く小雨も降って幻想的な雰囲気、まるで屋久島のようだ。園内の道はジョギングする方やマウンテンバイクで走る人などいろいろ。途中でマウンテンバイクに乗った年配の方に道を尋ねる。この人も鳥に詳しいのか道案内は、左に行くとアビ右に行くとウッドダック（アメリカオシドリ）という感じだ。もちろんウッドダックへの道順を教えてもらう。しばらく歩くとビバーレイクに到着。雨も強くなり雨宿りしながらの探鳥。しかし肝心のアメリカオシドリは現れない。いるのはマガモにカナダガン、遠めにオウギアイサといった状態。しばらく粘ってみたものの鳥層が変わりそうもないので、目の前のオオアオサギをＧＥＴしてホテルへ向かう。しか〜し、ここでも２人していつもの迷いぶりを発揮！　淡々と歩き公園の出口らしい場所に出ると、そこは見たことがないでか〜いつり橋が・・・「ここどこ？」「わかんない」「・・・」いつものパターンである。地図を見るとスタンレーパーク北端に出てしまったようだ。ホテルも出口も南側、しかも2ｋｍもあるよ〜　雨の中３０分ほど歩くとクビワキンクロが見れた場所に戻ってきた。ちょっと先にはネイチャーセンターが見える。休憩ついでに寄ってみることにした。ネイチャーセンターには沢山の資料がある。ここを管理しているコーレンさんに日本から来たことを説明するとスタンレイパークで見られる鳥の説明が始まった。それは写真を使っての説明だけではなく、剥製は出てくるはスライドショーが出てくるは、それはもう仕事熱心さが肌に伝わってくる。ホテルに戻りコーレンさんからの情報の元、キタホオジロ、アラナミキンクロ、クロミヤコドリを探しに行く。はじめにキタホオジロの見られるポイントに着くがあいにくの雨。車で雨宿りしながらの探鳥だ。雨音も気持ちよく、いつの間にかに深い眠りについてしまった。突然よっちさんが「キタホオジロ！！」、「え、どこ？」、「すぐそこ！」、「どこ？」、「目の前！」、「いた〜！！」。２人とも急いで機材を組み立て堤防に走る。キタホオジロは愛想が良く近距離での撮影となった。程好く撮影したあと目指すはアラナミキンクロ＆クロミヤコドリのいるセカンドビーチだ。

　
　　　キタホオジロガモ(Barrow´s Goldeneye)　　　　　　　　　　クロミヤコドリ(Black Oystercatcher)

　
　　夕焼けとアラナミキンクロ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　夕焼けでも黒いクロミヤコドリ

ここはバードショップ・ネイチャーセンターの情報が重なるところ、かなり期待ができる。セカンドビーチに着いて下見に行くとアラナミキンクロの群れ１００羽前後が見えた。再び駐車場に戻り機材を準備、撮影開始だ！　アラナミキンクロの群れは盛んにエサを捕りながらこちらに向かってくる。♂も♀も近すぎる。しばらくして「ピリー」と、どこかで聞いた声。こちらに飛んできたのはクロミヤコドリの群れだ。数枚撮影すると岩礁地帯に下りた。カモメ（何カモメかわからない）も岩礁地帯に下りる。数分間餌捕りしたのち再び沖の方へ。陽がだいぶ傾き夕焼けをバックにアラナミキンクロ、シノリガモ、ホオジロガモを撮影。この間何回かクロミヤコドリの群れが通過する。最後のミヤコドリ１羽が波打ち際に降り立った。「よし、夕焼けバックだ！」ベストポジションで撮影しようと砂浜を走る。バシバシシャッターを切ると知らぬ間によっちさんが隣にいる。さすが抜け目ないな！　そしてセカンドビーチでの美しいサンセットを迎えた。こんなとき金髪の美女でもいてくれたら・・・隣はよっちだし・・・。今日のラストショットはクロミヤコドリで終わった。
ホテルへ戻り夕食かと思ったが時間が全然早い。街に出てお土産と切手を買いに行く。今日のロブソン通りは日本人の声が良く聞こえる。しばらく歩くとサーモン屋さんがある。スモーク、メイプルシロップ、クッキー、チョコレートなど食のお土産をここで買う。ここの従業員は日本語がぺらぺら、効率よく街を回るのに街情報をココでＧＥＴする。次は郵便局で切手だ。なぜかカバン屋さんの奥が郵便局。従業員（日系）に切手ありますか？　と日本語で聞いてしまった。当然通じない。いかん英語、英語。切手って何だっけ？　あせると単語が出てこないあ、そうそうスタンプだ。なんちゃって英会話によると明日までにハガキ出すと１枚1.55ドル、明後日から1.6ドルに値上げがされるらしい。しかも閉店している為切手は明後日からの販売になるとのこと。明日は日曜だし明後日来店しよう。開店時間を聞きぷらりと街に出る。最後は酒屋さん。なぜか免税店より安いという現地オススメの穴場酒屋だ。高級ＩＣＥワインとビールを購入。重いアルコール類とお土産でホテルまでの道のりが遠く感じる。何とか無事ホテルに到着。一息ついた後、夕食を食べに再び街へ。食事処を探し回り行き着いた先が昨日と違う寿司屋さん。よくわからない味付けのサーモンと超ラージサイズのカキフライ、カナダビールとなった。程よい酔い加減でホテルへそして深い眠りへとついた．．．そう、この夜訪れるよっちの呪いにかかるまでは・・・（後編につづく）